こんにちは。クリエイティブディレクターの小島和人ハモニズムです。
中国人観光客の爆買いから始まり、ホテル不足問題、2020年の東京オリンピック開幕。
日本全国がこぞって”インバウンド需要“に湧き、如何にして外国人観光客を呼び込むか、お金を落としてもらえるか等工夫されていますね。
わかりやすい所では案内看板の「多国語表記」等。
しかし、実際のインバウンド事情はどうなのでしょうか?調べてみましょう
■世界的に見ると、まだまだ少ない外国人訪問者数
●世界各国・地域の外国人訪問者数(2014年 上位40位)
引用:世界各国、地域への外国人訪問者数ランキング|統計情報|日本政府観光局(JNTO)
上の図は2014年時点での外国人訪問者数の世界ランキングです。
日本はおよそ1300万人。世界で22位。
上位に感じますがアジア内では実は7位にとどまっており、1位の中国と比べると4分の1程度です。
この事から、日本国内では「外国人観光客」に湧いていますが、元々が少なすぎただけで世界的に見ればまだまだなのです。
■その場しのぎが目立つインバウンド対応
「爆買い」「オリンピック需要」「インバウンド需要」と言った印象深い言葉に踊らされた、その場しのぎの対応ではなく、外国人観光客の行動・趣向を分析・理解してサービスを変化させ、リピーターを増やす事でさらに外国人観光客を増やせる余地があると考えます。(日本は凄く狭いので受け入れるキャパがあるかどうかは微妙ですが)
あれ程話題になり、2015年に「新語・流行語大賞」に選ばれた「爆買い」に関しては終焉を迎えつつあるという話もあり、中国人観光客への集客に特化した結果、日本人客が離れてしまった。などという本末転倒な話も少なからずある様です。
我々の看板・サイン業界でも「多国語対応」をはじめとした看板や企画等の問い合わせが増えています。
その中で、外国人観光の現在・クライアントが思い描いている構想・問題・課題などをリアルに感じ取る事が出来ます。
しかしながら、ターゲットである「外国人観光客」が果たして何を求めているのか・何に困っているのかという分析・理解が進んでいない様に感じます。
そんな中、僕は個人的に「外国人観光客の目線」をテーマにした分析を芸術作品にして発表しようと考え、個展を開催しました。
難波経済新聞 / 大阪を「外国人旅行者の視点」で撮った写真展 見慣れた風景がCGに
日本人が見向きもしない所を楽しこそうに撮影している外国人観光客の目線の先にあるものが一体なんなのか?という分析のもと写真撮影を行い、劇画の様に加工した写真を展示し、それを見ながらお客さんとディスカッションする。という物でした。
この作品展示を通じて感じた事は、日本に住む我々は普段からなんとなく「外国人観光客の人達」という風にふわっとした全体像でしか意識していない。
と言う事でした。
その状態からいきなり「インバウンド対応」を考えてもその場しのぎの政策にしかならないのです。
世界中から集まる外国人観光客それぞれの国・年齢の性質・趣向があるわけですから、「外国人観光客の人達」では本当の意味で対応できるはずがありません。
■これからは外国人観光客に対する理解度・エンターテイメント性が必要
「物」がどれだけ優れていても、結局は提供するスタッフの意識やサービスが人の心に残ります。
逆に「物」にはどれだけ「お客様」の事を考えているかというスタッフの心が細部に反映されます。
心のこもっていない物はどこかよそよそしく感じさせてしまいます。
つまり、前提として外国人観光客の事を理解しようという意識・伝えようとする意識、何をすれば喜んでもらえるかというエンターテイメント精神が必要と考えます。
外国語が話せるだけの心がこもっていないスタッフより、外国語が話せなくても、身振り手振りでもてなし伝えようとするサービス精神・エンターテイメント精神があるスタッフの方が確実に良い印象を与えます。
以前、ブルガリアからの女子留学生にライブペイントパフォーマンスの指導をした事があるのですが、
基本的に僕はあまり英語は話せないのと、彼女も母国語はブルガリア語なのでお互いに「第2言語」での会話でした。
予想通り、はじめは意思疎通が難しく指導はかなり困難でした。
ところが次第に熱が入って行くうちに「英語をちゃんと話そう」という気が全く無くなって、身振り手振りと恐らく「もの凄く適当な片言英語」指導し始めました。そこから先はお互いに面白くなり本番終了まで笑いながら稽古を続けていました。
重要なのは伝えようとする意識・聞きとろうとする意識だと感じた経験でした。
つまり、「多国語表記」はコミュニケーションの道具であって、そこから始まる人間のサービスが重要だと思います。
最後に。現在アドニックではインバウンド関連の新しい試みが始まっております。
大阪、そして日本の観光的価値を向上させるお手伝いが出来る様なものになればとアイデアをしぼっております。
それではまた
■アドニックでは、かき氷情報とポケモンGOを使用した大阪観光の記事も書いています。
ポケモンGOで大阪観光”Osaka tourism Pokemon GO”