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2015.12.15
【視覚的マンネリ】日本の景観は汚いのか?

「日本の景観は統一性が無い」 「海外の真似事ばかり」
「かつての日本の美しい景色は無くなってしまった」

こんな言葉を良く聞く。

■日本の景観を好む外国人観光客

実際、歴史的な街並や建築物が見られるのは一部の地域のみ。
新しい日本建築として素晴らしい建築がたくさん作られた明治~大正~昭和の近代建築物も今ではたくさん取り壊され、外壁のみ残るだけの姿になる等しています。

たしかに都市部の景色はニューヨークやシカゴと似た様な雰囲気とも思えます。

 

ここで少し話を変えて。

あなたは初めて行く土地への海外旅行での街並をどう感じますか?
何を見ても初めて見る空気感で面白くて仕方が無いと思います。

では、日本に来る海外観光客はどうでしょうか?
私達が行く海外旅行と同じ様に、何を見ても楽しそうじゃありませんか?

これは、海外を真似ていると思っている日本の建築群も何らかの日本らしさを持っていると言う事ではないでしょうか?

日常的に目にするものは本質が見えなくなって自分にとって価値が無いものの様に思ってしまう。
私はこれを「視覚的マンネリ」と名付けました。

視覚的マンネリに陥ってしまうと、誰かに指摘される事が無い限りは、その「物体」に関して一切の興味が湧かない所か、悪い所ばかり見えてしまいます。

私は自分の表現として現代アート活動をしていますが、「物の新しい価値を見いだす」のは現代アートの醍醐味だと思っていて、どんな物でも意識的に見る様に心がけています。
※実際、大阪の普通の街並を写真作品にして海外のサイトにUPして、海外の人から見ると、どれが魅力と感じるか試したりしています。

ちなみにこれは評判良かった作品です。
作品的に印象深く加工していますが正直な所、作った私にも何がいいのかわかりません(笑)

既にある建築物を壊して昔風な姿に戻す。というのは現実的に難しいです。
でも日本中の皆が今一度「当たり前の光景」に目を凝らして日本に眠る潜在的な魅力に気づく事ができれば、自信を持って「日本」を海外にプレゼンテーションできるのではないでしょうか?

クリエイティブ部 小島和人ハモニズム